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冬の小鳥、新しい生活、または旅人

最近は、ストレス解消とでも言うか、車ぶっ飛ばして、悪いやつ撃ちまくって、最後は美女とラブラブLOVEってな映画をDVDで見ることが多かったのですが、ちょっと久しぶりに映画館で見た映画、「冬の小鳥」が、なかなかすばらしかったので、ご紹介を。

いや、映画がよかったのはもちろんなんですが、久しぶりに、見ていて「次はこうなるに違いない(ストーリーが、ではなくて、役者の表情や描き方など)」というのがその通りに来て、感性、なんて言うとおこ
がましいですが、それがぴったり合って、そして映画の(あるいは映像の)文法もきっちり守られている映画だったのが快かったのです。

 

映画|冬の小鳥|オフィシャルサイト

 

 

監督は、ウニー・ルコント。元々韓国人で、孤児となりフランスの養父母に引き取られて・・・と言う実体験に基づいた話を、子役キム・セロンが見事に演じています。この、キム・セロン、見るのは初めてなのですが、意志の強そうな、それでいて子供らしいかわいさも兼ね備えた表情で、その目を見ているだけでも、映画のできの良さ(もちろん、キャストの良さ、ですが)が伝わって来る気がします。それにしても、あまり見ないとはいえ、邦画の子役と比べると・・・というのは、まあ、日本の映画のレベルをそのまま物語っている、あるいは、邦画が何を目指しているか、と言うことになるので、仕方がないですかね。

 

映画は、監督の生い立ちのせいもあって、韓国とフランスの合作。タイトルは、フランス語では Une Vie Toute Neuve (全く新しい人生・暮らし)で、この方が、主人公ジニ(キム・セロン)が、父親に捨てられ、孤児院に入れられ、そのことを徐々に理解するとともに、養父母に引き取られる友達を次々に見送り、そして最後に・・・と言う物語をうまく表しているのだと思いますが、映画のタイトルとしては、冬の小鳥、と言う方が、キャッチーですかね。この冬の小鳥、というのは、親にはぐれた小鳥を、孤児院の子供たちが、そしてもちろんジニが、こっそり飼うのですが、親にはぐれた子が、(自ら前に進むことをしないと)どういう運命をたどるかを、象徴的に表してもいます。旅人、と言うタイトルは、いつ使われたのかわからないのですが(韓国で?)、これは、ちょっと違う気がする。新しい運命に立ち向かう、と言うような意味を込めたのかもしれませんが。

 

これだけ書いたら、ネタバレというか、どういうストーリーで、どういう展開か、わかっちゃうだろうと思いますので、まずは、僕が見て(僕が演出したとして)、映画は(映像は)こう描くべきだよな、と思ったところをいくつかー最初のところで、そのあと父親に孤児院に送られるジニが幸せそうなのに比べて、父親の“顔”が写されないところ、ジニが、養父母の元に引き取られる友達を見送るときに、最初は“蛍の光”の歌詞を知らないけど、だんだん小声で歌えるようになってきたところ、そして、フランスで待つ新しい養父母の元に一人飛行機で旅立ち、空港を降り立ち、歩き始めたときに、上を、あるいは前をしっかりと見るジニの視線ーを紹介して、それから、すごく参考になったサイトを紹介しておきます。

 

こういう映画を見ると、ずいぶんと古いですが、「映画って、本当にいいですね」って思うんですよね。

 

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COMMENTS & TRACKBACKS

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  1. 「冬の小鳥」(旅人)感想

    幼い頃韓国からフランスに養子に来た監督自らの実体験を元にした映画。

  2. SECRET: 0
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    先日まで小学生の娘が学校で仲間はずれにあい、胸を痛めていた所。子供が苦労していると切なくなる。でも、どんな境遇でも何歳になっても、1人で前を向いてゆかないと・・・って教えられますね。

  3. SECRET: 0
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    そうですか。
    この映画のジニね、少しずつ成長していく様子が、よく描かれているんですよ。元々前向き、なんてのじゃなくって。
    そんな映画でした。

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