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「ふたたび」 ふたたび映画の話

なるほど、ロードムービーか・・・

 

神戸を、そして神戸のジャズライブハウス「SONE」を舞台にした映画―SONEは、舞台と言うよりモチーフかな?―「ふたたび Swing me again」を見てきました。

映画『ふたたび』公式サイト

ポスターを何度か見かけていたので、内容(と言うか、結末、と言うような)は何となく想像していたのですが、ハンセン病をモチーフにしているとは知らなかったので、見始めてちょっとびっくりでした。

 

ハンセン病について詳しくは触れませんが、(感染力が非常に弱い)細菌による感染症であると言うことより、おそらくは患者の外観の変化のために、患者が多くの偏見に晒されてきた病気です。原因菌の感染力が低いことがわかり、また有効な薬剤がある現在でも、その偏見が残っていることは、宿泊拒否事件の報道などでもわかる通りです。

 

さて、話は、仲間でジャズバンド「クールジャズクインテット」を組んでいた主人公健三郎(現在の場面では、財津一郎)が、「SONE」の晴れ舞台でのライブ決定の直後に、ハンセン病に感染していることがわかり、ライブはもちろん、誓い合っていたピアノ担当のユリッペとも別れを余儀なくされるところから始まります。

時間軸という意味では、ここから始まるのですが、映画は、その健三郎が毎日療養所でトランペットを吹いているところ、孫に当たる大翔がジャズについて熱弁をふるう場面、そして健三郎が療養所を出て息子の家に戻る(息子にあったことがないので、戻ると言うより引き取られる)計画が進むところから始まることになります。

戻ってきてもすることがない、あるいは居場所のない健三郎の相手を大翔がすることになり、ふと取り出した昔のレコード(CDじゃないですよ!)を聞き、その中から出てきた写真を見たときから、健三郎の旅・・・いや、必ず戻ってくる、と言う昔のメンバーとの約束を果たすクエストが始まります。

 

こんな話ですから、映画にひねりがあるわけではなく、直球勝負のストーリー展開、大翔、そして、療養所の看護師ハヨンに見守られながら・・・ではなく、引き連れて、あるいは巻き込んで?昔のメンバーに会いに行く健三郎の旅。ピアノのユリッペは、すでに亡くなっていますが、実は・・・

そして、年老いて居場所が無くなったり、あるいは音楽から離れてしまったメンバーを集めての、SONEでの、ワンナイト・スペシャルライブ。これを実現したのは、健三郎を引き取るべきかどうか悩みに悩んだ、息子の良雄(陣内孝則)の・・・気持ちですね。このライブ会場で、和解があり、大翔のジャズプレーヤーとしての“イニシエーション”があり、そして、健三郎はユリッペの元へ・・・

 

健三郎自身はもちろん、引き取るかどうか悩む良雄やその妻、そして韓国人(韓国籍?)看護師ハヨン、そのほか皆が、いろいろな形で悩みを抱えていて―その一部には、ハンセン病に対する偏見、と言うのも含まれるわけですが―現実には、そう簡単に解決したり和解したりするわけでもないのでしょうが、健三郎の命を賭けた再会・再結成へのクエストに対する情熱、そして、財津一郎演じる昔人(ムカシビト)の力強さが、次々に、あるいは少しずつ、そうあって欲しいな、と言う展開を説得力あるものにし、そして、ハッピーエンドを迎えます。

ここでは、クエスト、と書きますが、田舎に引っ込んでいたり、病気を抱えていたり、あるいは大きなピアノメーカーの会長になった(ので、最初会えなかった)昔のメンバーを訪ねていく展開は、コンパクトながらロードムービー。話や展開を重苦しくすることなく、矍鑠とした(!)映画に仕上がっています。

 

エンドロールにも出ましたが、SONEのオーナーだった曽根桂子さんが2010年8月に亡くなっており、映画ではSONEのオーナー役として、旧知の渡辺貞夫さんが出演していました。

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SONEはこちら。

神戸 JAZZ LIVE &レストラン ソネ

 

2013年2月17日 リンク切れを修正しました。

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