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あさきゆめみし

前から、読みたいとは思ってたんですよ(と、一応言い訳しておく)。はいからさんが通るは、大好きで、何度も読み返したしね…

 

というわけで、大和和紀の「あさきゆめみし」ですが、まだ読み終わってもないので、この本の紹介、と言うわけではないです。でも、これ、源氏物語を現代語に訳した一人である瀬戸内寂聴さんがおすすめの文を書かれているのが、おもしろいですね。

あさきゆめみし(1) (講談社漫画文庫) 大和 和紀

 

これを(とうとう!)手に取るきっかけとなったのが、清水義範さんの日本文学のウルトラダイジェスト、「身もフタもない日本文学史」です。

身もフタもない日本文学史 (PHP新書) 清水 義範

 

ダイジェストと言っても、最近よくある、あらすじで…とか、出だしだけ…と言うつまんない本ではなくて、日本文学史を、そして、いくつか・何人かの作品・作者を、専門家、研究家の視点ではなくて、現代の作家の視点から、日本の文学の特殊性の中で位置づけて行くこころみです…なんて、そんな硬い本じゃありません。清水義範をご存じの方なら、「おもしろくても…」のノリ、と言えば、あは~ん、と来る、あのシリーズみたいな、文学史解説です。

 

最初に取り上げられているのが、源氏物語。2008年は、源氏物語千年紀、と言うことで、京都や滋賀県で、いろんな催し物があったのを覚えていますが、1000年前に、英雄譚でも神話でもない、そして、詩(韻文)でもない「小説」が、あの完成度で日本で作られたのは奇跡だと、清水義範は述べています。なるほど・・・

 

そして、(欧米人にとって、聖書やギリシャ神話(やシェークスピア)が、その文化や知識の根底にあるのと同じように)源氏物語は、日本の文化の根底にある、と説明してくれます。これは、もちろん日本人が全員源氏物語を精読している、と言う意味ではなくて、源氏物語と言えば、「あぁ、あの、モテモテの光源氏が、なんか次々と…の話ね」とか、人によっては、「いづれのお(ほ)んときにかにようごこういあまたさぶらひたまひけるなかに・・・」なんて出てくるだろうし、ま、世代によっては、「光GENJIと関係有るんだよね?」くらいかもしれないけど・・・でも、みんな、なんか、ちょっと知ってる、そんな意味での文化。(本当は、清水義範は、日本人の品格、行儀の良さ、とかる~く結びつけてますが、それは、本を読まれてくださいね。なるほど、と思いますよ、きっと)

 

史記や長恨歌や、あるいは、オイディプス王の物語を踏まえ(前者二つは、紫式部は読んでいた)、無常観を漂わせ、また構成に瑕疵のない、こんなすばらしい小説、世界最初の小説が、1000年前に日本に生まれたのは奇跡である、と、清水義範は言うわけですね。

 

さあ、読んでみましょう!と言っても、原文を読めるはずもなし、僕は与謝野晶子訳を途中まで読みましたが、これはこれで、続きを読みたいのですが、清水義範が言うには、

 

さあ、漫画化された「あさきゆめみし」でもいいから、「源氏物語」に接してみましょうよ。

 

なわけです。と言うわけで、まずは、大和和紀作品から読み始めることにした次第。でも、これもすでにおもしろくて、登場人物を確認しながらですが、ゆっくりと、ぐいぐいと引き込まれています。こちらの紹介は、また、いずれ~

 

そうそう、身もフタもない…の方は、このあと、源氏物語中でももちろんたくさん出てくる短歌を題材に、これが今の携帯メールなのだ!とおもしろく語り、さらに枕草子・方丈記から、日本における、男と女の随筆(あるいはエッセイ)の基本形について…と、時代を下って日本文学史が、エイ、ヤッ!と、概説されていきます、こちらももちろんおもしろいので、続きは、またいずれ。

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    わお~懐かしい!高校生の頃、皆でまわしよみしてました。また読みたいなぁ。愉しげな本、たくさん紹介してください。…大人買いしそう。無職なのに!

  2. SECRET: 0
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    登場人物もたくさんいるし、ゆっくり読み進めてま~す!
    (多分、はいからさんも、大人買いしそうな予感)

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