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【本・映画】横道世之介:出会えたことが、嬉しくて、可笑しくて、そして、寂しいー

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IMG_3131 Photo by Alec 小綱

本はすぐ読んだのですが、映画は今になりました。

本を読んだ時と同じく、すごくいい意味で、すご〜くいい意味で、さらさらと流れて行って、清涼感のみが残る、そんな作品でした。
本も、映画も。

こんな奴、いないでしょ?!ってのと同じ位、こんな奴がいたら、なんか…もしいたら…何かの時に思い出して…あ〜そう言えば、って、思えるような…

世之介は長崎から東京に出て来た大学新一年生(の場面から話は始まります)。
ふとしたことで彼と出会い、なんということもない時を彼と過ごした同級生たち…が、彼と過ごした日々を思い出す、何のことはない出来事を思い出す、そんな構成で前半が進みます(話は、世之介が新一年になる1988からの一年間と、2003年とを行き来します)。

熱血とか根性とは全然違うけれども、ひたむきでひねりもてらいもない世之介。
ごく普通の、まあ、田舎出身の垢抜けない男の子。
祖母が亡くなった時に、「自分が死んだら、みんな思い出して泣いてくれるかな?」と素直に思う世之介…その通りの人生を送って行くことになります。ただ、泣くというよりは、思い出して笑ってくれるような。

祥子と出会ったところから、展開と言うか、演出と言うか、構成と言うかが変わって来ますね。
世之介が、自分を出していけるように変わってくる。あいかわらず、どストレートで空気読めないままではあるけれども。そのためもあって、見てて、ワクワク、ドキドキする感じが少し高まります。いいぞ!普通の男の子!みたいな感じかな?

さて、祥子を演じるのは、吉高由里子!彼女見たさに、この映画選んだようなものです!
お嬢様である場面では、お嬢様らしさがちと彼女っぽくない気もしましたが(原作は、もっと、何も知らないお嬢様的な感じでした)、2003年には、お嬢様言葉も忘れ、力強く生きている女性に見事に変身…を、演じてますね。
かつ、幾つかの場面で、萌え〜も!ちと、ネタバレですが、ベルバラの絵を書くところなんて、最後を見るときに、泣けます。萌え泣きですね(笑)

萌えと言えば、世之介の実家の近くの海辺でのファーストキス…と見せかけて、ボートピープルの密入国の場面に遭遇したことは、二人のファーストキスの機会を奪ったと言うだけでなく、それぞれの人生に決定的な影響を与えることになるんですが、これ、はっきりと意識しないにしても、二人の考え方に大きな影響を与えたんでしょうね。相手の期待に応えられなかった、目の前の人を助けてあげられなかった、そんな意味で。

こうして、何か決定的な出来事で、というわけではないんだけれど、周りの人に普通に覚えられたり忘れられたり、そして、ほんの少しずつ周りの人の人生に影響を与えつつ…そんな彼の半生が描かれています。
祥子が、好きになった人はどんな人?と聞かれて、少し考えてから「普通の人よ」と答える、この場面にこの作品のエッセンスが濃縮されているように思えますね。

あまりネタバレはしたくないのですが、最後の(時間軸として最後の)、世之介が最初に撮った写真を祥子に見せると、そう約束した写真を…世之介の母親から受け取り、それを見る場面は…そう、あのニューシネマパラダイスのラストを彷彿とさせます。吉田修一さん、すごく映画好きだし、オマージュみたいな感じかも。あの、涙が止まらなかったラストへの。

なんか、バラバラ書いちゃいましたが、原作読んでても読んで無くても、なんかいいな〜と思ってもらえそうな、オススメの作品です。

吉田修一作品(の映画)、ちと、その内面が怖いのも多いんですけどね。


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