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【本・映画】めぐりあう日:なぜ自分だったのか?

ウニー・ルコント、どのくらいの方がご存じでしょうか?前作を見てたので、ふらっと空き時間に見るには重いのが分かってて、かなり悩んだのですが、見ました。ウニーの六年ぶりの(長編)新作。めぐりあう日。

うー…予想通り、重いです。

ちなみに前作はこちら。冬の小鳥。

これがまた重いというか、監督の自伝的映画。

施設に預けられた子供が、いい家庭にもらわれたりそうでなかったり、と。自分で選択できない運命…

感想ブログがこちらです。

これの続編で、捨てられた子供と捨てた(捨てざるをえなかった)母親との巡り会いの話です。

…見てて思いましたが、捨てられた子供の視点から、その子が大人になった視点に移っているので、捨てた親か、その社会か、そちらに移った作品を作るだろうなと思ってたら、三部作の二作目、と監督本人が言ってるらしいので、もっと重いのがいずれ来ますね…

主人公エリザは、養子(つまり、親に捨てられ施設で育った)として育ち、今は結婚して男の子の母親なんだけど、この子がアラブ系の顔立ち…エリザを演じるセリーヌ・サレットが、いいですね。シャーロット・ランプリングみたいな目。目だけで、不幸で思い詰めた女性を演じてる。

で、そのエリザが、母親を探そうとするわけですが、個人情報などの問題でたどり着けない。ところが、ふとしたことで出会ったアネットが、エリザが養子でその子ノエがアラブ系の顔立ちであること(つまり、アネットは、その昔アラブ系の男性と…)などからもしやと思い、エリザも場所や時期からもしやもしやと思い始める…

アネットはノエの学校で働いていて、ノエがいじめられていること、エリザが必要以上にノエに厳しいこと(…自分の孤児としての血筋を思い出させるがゆえに?)などで、ノエとエリザの子とが心を離れない…

…はい、ネタバレですが、最後は一応打ち解け合って、二人で仲良く話をするのですが、そこに到るまでには…なんで私を捨てておいて今は家族でしあわせになってるのよ!(私も悩んでるんだから、親も悩んでいて欲しいですよね、単純に)私だって、もっと悩み無く青春を謳歌したかった!みたいな葛藤やジレンマ、トリレンマが渦巻いて…重いです。

ちなみに、原題は、Je vous souhaite d’etre follement aimee。私はあなたが狂おしいほどに愛されていることを望む、と言うような意味です。(英題:Looking for her)…捨てた側はそりゃそう思うでしょうが、捨てられた側ははそうは思ってない、(そう思われたとしても)感謝なんかするはずがない、と言うようなタイトルですね。

もっとも重いのは、(ちゃんと夫の子供を)妊娠しているんだけど、堕胎を選ぶところ。自分の親は私を産んで捨てたのよ、私はどうするべきなの?生まれてくる子はしあわせになれるの?しあわせになればなるほど、私は捨てられて不幸せだったのよ、とつらく当たることになるのでは?と、はい、葛藤ぐるぐる、ジレンマトリレンマですよね。見ててつらい…

ハッピーエンドと言えなくもないですが、そもそもテーマがどれだけユニバーサル(?)なのか、映画としていい作品でもどれだけ共感や感動を呼べるのか考えちゃいますけど、もう少し広く、なぜ自分だったのか、なぜ自分はこうだったのか、何を考えどう選択すべきなのか、そんなテーマととらえると…どょ〜んと更に重くのしかかってくる作品です。


予告編です。

「めぐりあう日」予告編


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