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【映画】アーティスト あの作品への素晴らしいオマージュ

アーティスト、すばらしい映画でした。さすが!映画が本当に好きで、映画が本当にわかっている人が作った作品だってのがよくわかります。
GAGA★/アーティスト

見ながら、あ~、これは、あの作品へのオマージュなのかな?と思っていました。
オマージュかどうかは、僕が思っているだけなんですけど、モノクロ、ハリウッドで、サイレントからトーキーへの移行期、サイレントの名スター、さらに、運転手とくれば、映画好きな人なら、必ず思い出しますよね。
「サンセット大通り」

ビリー・ワイルダーの珠玉の名作、サンセット大通り。(アンドリュー・ロイド・ウェーバーのミュージカルもあります)サイレントの大女優だったグロリア・スワンソンを、落ちぶれたサイレント時代の名女優(ノーマ)として使うという配役。もっとも、彼女は落ちぶれたとは思っていないし、彼女の身の回りのすべてを任されている運転手は、実は…そしてショッキングなエンディング…
と、マクラを振れば話が分かるかもしれませんね。アーティストでは、主人公のジョージは、サイレントの大スター!彼にあこがれるペピーはエクストラから、少しずつ役が付くようになって…
時代はちょうどサイレントからトーキーに移り変わるとき。ジョージは、トーキーにシフトするという会社の方針に反発し、私財をなげうってサイレントの「名作」を作ることに。「俺が作りたいのは、アートなんだ!」
一方のペピーはハリウッドのアイドルとなり、トーキー主演作がジョージの作品と同じ日に公開され…
この、サイレントの名作を自分で作ると宣言したときのジョージの、「僕のファンは声なんて聞きたいと思わないよ」という言葉は、サンセット大通りの中の、「せりふなんて必要ないわ。」というグロリア・スワンソン(ノーマ)のせりふと通じるものがありますよね。
“We didn’t need dialogue. We had faces!”
「セリフなんて必要ないわ。私たちには顔があったのよ。」

大恐慌もあって破産してしまったジョージは、自らの主演映画のフィルムに火をつけてしまいますが、一つだけ大事に抱えているところをかろうじて助け出されます。
そして、ペピーは、そんな彼を見かねて…
なかなか、ハッピーエンドになりそうでならないんですよ。最後の最後、サンセット大通りと同じように凄惨なエンディングになるのかと思いきや…見事なトランジション!やられた~!って感じですよ。
それにしても、丁寧に描けば、本当にせりふなんてなくても通じることがよくわかるし、そして、音楽によって伝わるものも大きいんだな、と考えさせてくれる作品でもありました。

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