Lisboa at Night Photo by Fr Antunes
いや、これは(この映画は)素晴らしかった!
ひさびさに感動!
タイトルと、イントロからは、杓子定規な真面目な中年男がふとした出会いから恋に落ちる、恋愛ドラマだと思ってたんですよね。
タイトルは、いけてないです。原作の、リスボン行きの夜行列車、が、何かを秘めていそうで、やはりいい題だと思います。
スイスのベルンで(この、スイス、というの、重要です!)古典言語学?を教えているライムントは、毎日何一つ変わることのない日々を送る中年男。毎日同じ時間に同じ道を通り、同じ高校で同じ時間に授業をする…
そんなライムントが、橋から川に身を投げようとしていた女性を救ったことから、彼の生活(というより、意識)に変化が生じます。
彼女が持っていた本…リスボンの医師アマデウが書いた、100冊しかない私書版のような本。
その本を頼りに彼女を探そうとするライムントは、(映画では切符もあったので)リスボン行きの夜行電車に飛び乗り、リスボンへ。
リスボンで出会った人々は、どんな人生を送ってきたのか…
ここで重要なのは、1974年からのポルトガルのカーネーション革命。
1974年といえば、結構最近ですよ!
ライムントが、「スイスは、革命を経験してませんものね」と言われる場面があるのですが、これが、くどいようですが重要!
革命を経験せず、何一つ変わることのない平穏な人生を送ってきたライムントと、激動の時代の中、友情、愛情、嫉妬…の渦の中で生きてきた人たちと…どちらが幸せなのか…
ここで思い出したのは、第三の男。はい、スイスとイタリアのことをハリー・ライムが比べますね。
「だれかがこんなこと言ってたぜ。イタリアではボルジア家30年間の圧政下は戦火・恐怖・殺人・流血の時代だったが、ミケランジェロやダ・ヴィンチの偉大なルネサンスを誕生させた。
片やスイスはどうだ? 麗しい友愛精神の下、500年にわたる民主主義と平和が産み出したものは何だと思う? 鳩時計だ!」
はい、そう、どちらがいいとは言えないけど、今生きている世界を選ぶしかないわけで…
これ、それにしても、この人があの人で、あの人がこの立場で、そのまたあの人がこの人を好きになって…が、革命の最中にあるわけですよ。
そのあたりを書いた本を手にした先ほどの(ライムントが救った)女性…最後に、あっというアイデンティティーが明かされますが…は、なぜ自殺を図ったのか…
うーむ…時代と、国と、人生と、愛と…を見事に交錯させた作品。
テオ・アンゲロプロスをさらりと流したかのような…
映画のラストは、なるほど、だよね!という結末。
ネタバレではないですが、キーワードは、てんこ盛りに書いちゃいましたもんね。
登場人物はごく限られているのですが、ライムントはジェレミー・アイアンズ。いい演技です!
驚いた?のは、シャーロット・ランプリング!いい役というか、さすがの演技、怖いです、ちょっと。それに、ブルーノ・ガンツ。ベルリン天使の詩のイメージが強いのですが、今回の役は、ヒトラーの、例の、そっちですかね。あと、歯医者さん(マリアナ)、かわいいです。すごく重要な役ですしね。
映画の公式サイトはこちら。
原作は
現在品切れが続いてますね。
今頑張って読んでるのは、こちら。
Kindle版がこちらです。
Night Train to Lisbon (English Edition)
リスボン、それにしても懐かしい〜
また行きたーい!
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