photo credit: Gabriela Camerotti via photopin cc
そうそう、ジョー・ヒルって(隠している、というか、特に宣伝材料にはしてないらしいけど)筆者は、スティーブン・キングの息子なんですよね。なにかの書評でこのことを知って、興味を惹かれて買ってみました。
もう一つ興味を惹かれたのは、大大大好きな(そして、読むとちょっと切なくなる)フィニィへのオマージュであるらしいこと。
そんなこんなで、21世紀の今、20世紀のホラーへのノスタルジー(つまり、ここがフィニィなんですね)、「20世紀の幽霊たち」を読みました。
序文から、何というか凝っていて、その・・・亡くなった父のタイプライターが夜に動きだし、昔と同じように小説を書き出すこと、そして修理をしたら動かなくなった話・・・が中に“埋め込まれている”序文なんて、念が入っていて・・・でも、こんな所も、フィニィを思い出させてくれる。もちろん、フィニィをなぞるために書いたんじゃないんでしょうが、作品のあちこちに、フィニィちりばめられているのが分かるので、ホラーって言うより、ノスタルジアって感じですよ。
本のタイトルにもなっている短編、「二十世紀の幽霊」。
Amazonの解説によると、
奇妙な噂がささやかれる映画館があった。隣に座ったのは、体をのけぞらせ、ぎょろりと目を剥いて血まみれになった“あの女”だった。四年前『オズの魔法使 い』上映中に一九歳の少女を襲った出来事とは!?(『二十世紀の幽霊』)
(略)
デビュー作ながら驚異の才能を見せつけて評論家の激賞を浴び、ブラム・ストーカー 賞、英国幻想文学大賞、国際ホラー作家協会賞の三冠を受賞した怪奇幻想短篇小説集。
と言うことなのですが、決して怖い話ではなく(ん?ホラー?)、ちょっと懐かしくなるような、そうそう、(一昔前の)(アメリカの)田舎町って、きっとこんな感じなんだよね、という様な思いに浸らせてくれる、ちょっと甘いような切ないようなお話です。(ん?ホラー?)
田舎町って言うか、懐かしさって言うかを紡ぎ出しているキーワードの1つが、この映画館でかかる(かかっていた)「オズの魔法使」
大大大好きな映画なんですが、このラストでドロシーが言う“五語の言葉“・・・これが、また、アメリカ人なら(映画好きのアメリカ人なら)当然知っている、そんなフレーズが、最後にうまく、うまく使われ、懐かしさ、郷愁、そんな気持ちにさせてくれます(って、アメリカ人でも、アメリカの田舎出身でもないですけどね〜)。
オズの魔法使 – Wikipedia
「お家が一番だわ(There’s no place like home.)」 …
「お家が一番だわ(There’s no place like home.)」
な〜んか、フィニィだよなぁ・・・いい意味で。
個々の作品・・・ネタばれしてもいいって方は、こちらをどうぞ。フィニィのことも、分かりやすく触れられています。
奇妙な世界の片隅で ゲイルズバーグの人さらい ジョー・ヒル『20世紀の幽霊たち』
ジョー・ヒルとジャック・フィニィ
フィニィ、フィニィって言っているのは、分かる人にはもちろん分かるでしょうが、もちろん、これ。
どの作品も、ちょっと切なくなるようなファンタジーというか、ホラー・・・では無いな・・・というか・・・
「愛の手紙」なんて、もう、“新”三大泣けるSFですよ、もう、ね。
と言うわけで、2つの本をごっちゃに語ってしまいました。
「愛の手紙」思い出して、ウルウルしているskywalkerでした。
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