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【映画】あしたのパスタはアルデンテ:“か見応え”のある映画でした

なんでレンタル予約したんだろう?(また、覚えてない)
多分、イタリア文化の夕べ(映画・ワインの会)の時に話にのぼったのかな?想像していたのと全然違う、いい映画でした。

「あしたのパスタはアルデンテ」映画公式サイト

それにしても、何だ、この邦題は?
確かに、パスタ会社が舞台ではあるけど・・・と思って調べてみると、2011のイタリア映画祭での邦題は「アルデンテな男たち」。うーん・・・しかし、ドイツでのタイトルも、やはりアルデンテな男たちというような意味だったようで・・・イタリアでパスタならアルデンテってつけとけ、ってな安直な・・・

ところが、原題は「Mine vaganti 」。???英語では、Loose Cannon???緩い大砲???
イタリア語のタイトルの意味は、浮遊機雷という感じだそうで、まさかこんな所に(いわゆる)地雷があるなんて!(何をしでかすか分からない)って感じ。それなら、よく分かると言えばよく分かるんだけど、しかし原題も原題ですね・・・勘違いするでしょ、みんな?!?!

さて、公式サイトにもあるように、

南イタリアのレッツェにある老舗のパスタ会社だが、兄アントニオの新社長就任が決まり、共同経営者一族の晩餐会が開か れることになった。帰郷したトンマーゾは、その席上で家族に言えなかった3つの秘密を告白しようと、兄のアントニオに予告する。1つ目は経営学部と偽って 文学部を卒業したこと。2つ目は家業を継がずに小説家になること。そして

三つ目、最大の秘密はゲイであることを告白し、父親から勘当されることによって自由を手に入れたい、と考えます(まあ、兄と違って既にローマで自由に過ごしてきたのですが)。

で、パーティーの席上、さてみんな聞いてくれ、とトンマーゾが心の準備をしたところで、兄のアントニオが・・・(お約束とも言える!)「自分はゲイだ」との、まさかのカミングアウト。トンマーゾ、タイミング失っちゃって・・・

父親は、激怒の余り心臓発作で倒れるが、心配は、このことが街の人々に知られないかどうか、こればかり。まあ、今でもそうでしょうが(映画は2010年)、田舎なら、そして保守的な(というか、ある程度の年齢の)人なら、当然の反応ですよね。

この辺までは、ドタバタのコメディかと思いながら見ていたのですが・・・

これを契機に、登場人物(家族)それぞれが、秘密を抱えていたり、過去があったり、その秘密や過去を周りの人が知らなかったり、知っていても黙っていたり・・・が、わかってきます。

この、カミングアウト大集合(?)と並行するように、もう一つのエピソード(映画の冒頭は、このエピソードから始まります)が重なるように描かれます。

アントニオとトンマーゾのおばあちゃん。今は糖尿病でインスリンをうちながら、お菓子を食べることも許されず、の余生を送っているのですが、その昔、愛する人とは結ばれずその弟と結婚することになり・・・その時、おばあちゃんは、本当は・・・
おばあちゃんの本当にやりたかったことは・・・やるべきだったことは・・・

このエピソードが効いていて、おばあちゃんは悩めるトンマーゾに、自分らしく生きろ、とさりげなくアドバイスします。

紳士になるよりも、自分の幸せを考えなさい

おばあちゃんのエピソードと現在の話とが一つに収束する、最後のパーティーの場面は、それはそれは、優しく、そして美しいものです。ここで、登場人物はそれぞれ(心の)パートナーを見つけ、そしてトンマーゾも自分の進む道を見つけ、未来を見据えている・・・
(そして、このパーティーにつながるおばあちゃんの大往生もステキ!)

大切なのは、「あのときこうしておけば良かった」と後悔しないこと;そうすれば、明日は・・・明日のパスタはきっと今日よりかみ応えのあるものになるはず・・・そんな映画。
アシタノパスタ、いや、アスタラビスタ!

 

 

音楽も、なんだか聞き覚えがある感じの曲ばかりで(ゲイパワー炸裂の選曲らしいのですが)ステキでした。そして、そして・・・ニコール・グリマウド(パスタ会社の共同経営者になる、不思議な女性)、ステキすぎる〜!!!

写真は、映画でも出てきた、オレッキエッテ(小さな耳パスタ)

http://www17.plala.or.jp/harukitchen/italian172.JPG

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